カンガルー肉
グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。
カンガルー肉
産地:オーストラリア
投稿:メルボルン駐在員
オーストラリアではカンガルー肉を食す文化がある
一見牛肉に見えるこの料理、実はカンガルーの肉が使用されている。オーストラリアでは鶏肉・豚肉・牛肉と比較すると少ない量ではあるが年間約4000トンのカンガルー肉が消費されている。オーストラリアのスーパーではカンガルー肉は加工食品・ステーキ・肉団子など、様々な形で店頭に並んでいる。日本でもカンガルー肉はごく少量(年間15―20トン程度)消費されているが、まだまだ珍しい食材といえる。
カンガルーはオーストラリア大陸をはじめ、タスマニア島やニューギニア島に生息している。オーストラリアの国の紋章に描かれるほどオーストラリアを象徴する動物であるが、1980年に南オーストラリア州でカンガルー肉の食用が解禁されてから、オーストラリア全域でカンガルー肉の利用が広まることになった。
カンガルー肉はすべて野生のカンガルーを捕獲して生産されている。もともとはオーストラリアの先住民族である「アボリジニ」の食糧であったが、一部のカンガルーの生息数が増加し、生態系に影響を与えかねないと判断した政府が野生のカンガルー数をコントロールするようになった。
カンガルー肉は他の家畜の肉と比較すると、食感は柔らかく濃厚な風味がある。ミディアムレアでステーキにしても良いが、カンガルー肉には若干の臭みがあるため、ハーブや赤ワインなどでマリネにしても美味しく食すことができる。また牛挽肉と合わせて、ハンバーグ・ソーセージ・カレーの具そして燻製にしても楽しめる。
そして特筆すべきなのはカンガルー肉の栄養価だ。タンパク質が豊富で脂肪分が2%と少なく、不飽和脂肪酸の一種である共役リノール酸の含有量が多いのが特徴。共役リノール酸は発ガン性や糖尿病を抑えるなどの健康効果があるとされている。
筋肉をつけたい人やダイエットしたい人に向いている食材であるため、ぜひ勇気をだして食べてみてほしい。
カンガルー肉は脂身が少なく筋繊維が多いのが特徴
加工食品としてもカンガルー肉は使用されている
カンガルー肉を牛肉と混ぜ、肉団子の状態で店頭に並べられることも