魯肉飯(ルーローファン)
グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。
魯肉飯(ルーローファン)
産地:台湾
材料:豚バラ(皮付き)、水、醤油、酒、ニンニク、ショウガ、揚げ玉ねぎ、砂糖、八角などの香辛料
投稿:台湾駐在員
脂身の多い豚肉と煮汁とご飯がマッチする
台湾のソウルフード
魯肉飯(ルーローファン)とは、豚肉をしょうゆベースで甘辛く煮込んだ台湾名物のそぼろ丼。庶民の味として家庭料理だけでなく、屋台・食堂・レストラン等街のいたるところで食べることができるソウルフードである。
肉飯は単体で食べるものではなく、おかずに合わせて食べるのが主流。そのサイズは日本の丼ぶりより小さく、少し大きめの茶碗にご飯と肉が山盛りにされている。
明確な資料は残されていないが、台湾の豚肉屋が余ったくず肉・脂身・皮を細かく刻んで煮込んだものを白ご飯にかけて食べたのが始まりとされ、台湾の庶民から自然と生まれた料理である。
魯肉飯の作り方は非常にシンプルである。皮のついた豚バラ肉を鍋で蒸し、好みのサイズに刻む。そして豚バラとみじん切りにしたニンニクを軽く炒め、そこに揚げ玉ねぎ・水・醤油・酒・砂糖・コショウ・八角などの香辛料を加え、煮込んで完成。長時間煮込むことで、豚肉からゼラチンが溶け出てきて濃厚な味わいになる。味付けや使用する豚肉の部位は家庭やお店により異なり、八角が強く効いているものやあっさりとした豚肉を使用した物もあり、それぞれの特徴がある。
台湾に有名な魯肉飯点は数多くあるが、その中でもおすすめしたいのが「今大魯肉飯」と「天天利美食坊」という台北にあるお店。「今大魯肉飯」は朝6時から夜9時まで営業しており、こってりとした脂がのった豚バラ肉と濃厚な煮汁のバランスが絶妙である。また豚バラの煮汁で煮込んだ卵も同じく絶品であるためお勧めしたい。「天天利美食坊」はあっさりとした部位の肉を使用し、甘い味付けが特徴。コショウのスパイスが良く効いていて、他店の魯肉飯とは少し違った味を楽しめる。
近年日本でも台湾料理は徐々に普及してきたが、まだまだ魯肉飯自体の知名度は高くない。ぜひ台湾に行く機会がある際は、絶品の魯肉飯を味わってみてほしい。
有名店の1つでもある「今大魯肉飯」
昼には行列ができる
濃厚な煮汁で煮込まれた煮卵も絶品
台湾のコンビニで売られている魯肉飯の缶詰