ギロ・ピタ
グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。
ギロ・ピタ
産地:ギリシャ
材料:ギロス、玉ねぎ、パプリカ、トマト、ピタパン
投稿:アムステルダム駐在員
ギリシャで人気のファーストフード
ギリシャ全土で食べることができる
ギリシャでは、どこでも食べられるファーストフードとして「ギロ・ピタ」という料理がある。ギロ・ピタは薄切りの羊肉を棒に刺し、横から火で炙りそぎ落とした「ギロス」と、玉ねぎ・パプリカ・トマトなどの野菜を「ピタ」と呼ばれる平たいパンに挟んで食べるギリシャ伝統の料理である。
ギロ・ピタは肉の焼き方をはじめ、ピタにはさむ野菜などがトルコ発祥のケバブとよく似ている。ギリシャ料理は一般的にイタリアや南フランスと同じ地中海料理として知られているが、トルコ料理やレバノン料理など東地中海地方の料理との共通点も多くある。アナトリア半島(現在のトルコ)が長い間ギリシャ人主体の東ローマ帝国の領土であった上、1900年代のギリシャとトルコの間で起こった戦争の影響で多くのギリシャ人がトルコに居住していた歴史があったため、トルコ料理がギリシャに伝わったとされている。
しかし元はトルコ料理といえども、ギロ・ピタはギリシャ独自の進化を遂げておりケバブとの違いがいくつかある。まず現在のケバブは鶏肉や牛肉が使用されることが多いが、ギロ・ピタの肉は羊肉が使用される。また「ザジキ」というギリシャ伝統のヨーグルトソースをギロ・ピタに挟んで食べるという特徴がある。ザジキはギリシャでは最もポピュラーなソースで、パン・肉・野菜料理の付け合せとしても良く食されるが、特にギロ・ピタとしてギロスと合わせることが多い。羊または山羊の乳から作る水切りヨーグルト・キュウリ・ニンニク・塩・オリーブオイル・コショウ・ディルがサジキの材料。非常にシンプルな作り方で、まず布でプレーンヨーグルトを包み水分を抜いておく。キュウリは塩を振り、水を切る。そして全ての材料を混ぜ合わせればザジキの完成である。
日本ではケバブがメジャーではあるが、さっぱりとしたサジキを挟んだギロ・ピタもこの夏におすすめの料理である。そして食後に濃いエスプレッソのようなギリシャコーヒーを飲んで、遠いギリシャの雰囲気を味わってみてはいかがだろうか。
トルコ発祥のケバブは現在 鶏肉・牛肉が多いがギロ・ピタは羊肉が使用される
食後にギリシャコーヒーを飲むのが一般的煮出したコーヒーでとても濃いためゆっくり飲むのがコツ
ギリシャのイデア島ギロ・ピタはギリシャのどこでも食べることができる