ハントンライス
グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。
ハントンライス
産地:石川県金沢市
材料:バターライス、卵、マグロのフライ、ケチャップ
投稿:東京食品員
金沢のソウルフード"ハントンライス"
かなりボリューミーで満足感がある
ハントンライスとは、ケチャップ風味のバターライスの上に卵と魚のフライをのせ、その上からケチャップとタルタルソースをかけた石川県金沢市発祥の洋食である。ハントンライスのハントンとは、ハンガリーの「ハン」とフランス語でマグロを意味する「トン」を合わせた造語で、金沢カレーや金沢おでんと共に金沢を代表する名物料理だ。県内では約50店舗で提供されており、今ではケチャップ風バターライスをチキンライスにしたり、トッピングをエビフライや鶏の唐揚げに変更したりする店舗もあり、各店それぞれオリジナルのハントンライスを提供している。
1960年代後半、東京で修業をしたある料理人が金沢の中心地の片町にて洋食レストランを出店する際、考案したメニューが「ハントンライス」だった。そのメニューはハンガリー料理からヒントを得て、パプリカとバターで味付けしたご飯の上にマグロのフライ等をのせた料理であり、若者に好まれる料理として考えられた。
ハントンライスは次第に若者を中心に人気となり、その後その洋食店から独立したコックたちが、自分のお店のメニューとしてハントンライスを提供したことから金沢市内で広まっていった。
現在ではハントンライス発祥のお店は閉店となっているが、当時の味を受け継いでいる洋食店がいくつもあり、ハントンライスを食べるために金沢を訪れる観光客もいるほど。
ハントンライスを作るためには、まずバターライスを作る必要がある。じっくりと炒めたタマネギとバターを温かいご飯に合わせ、ケチャップを入れたら他の具材は何も入れずに混ぜ合わせる。魚のフライをのせるため、味がしつこくならないようにバターとケチャップのみの味付けとなっている。次にマグロの塊にパン粉をつけて揚げればトッピングの完成である。最後に3個分の卵で作った半熟状態の卵をバターライスの上にのせ、マグロのフライをのせる。仕上げにケチャップとタルタルソースをかけたら完成。
金沢名物のなかでもひと際存在感があるハントンライス。ぜひハントンライスを食べに金沢を訪れてほしい。
ハントンライスの中身は具がないケチャップ風味のバターライス
ハントンライスの人気洋食店お昼時にはかなりの行列ができる
ハントンライスとクリームスープの組み合わせが人気