だご汁
グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。
だご汁
産地:熊本県
材料:だご(小麦粉・水・塩)、野菜類、味噌
投稿:九州営業所 食品部員
熊本県民食の「だご汁」は
野菜たっぷりで熊本の冬には欠かせない郷土料理
「だご汁」は小麦粉と水と塩を合わせて練ったものを汁の中に入れた九州地方(主に熊本県と大分県)に多く食されている郷土料理である。だご汁の「だご」は団子を意味しているが、だごの形は地域や家庭によって様々で、手で小さな団子を作ってから平らにしたり、麺棒で伸ばした生地を麺のようにしたり、すいとんのように生地を一口大にちぎったりなど家庭ごとの特徴がある。
具材がたっぷりなのもだご汁の大きな特徴で、汁に溶け出した具材の旨味がだごと絡んでほっとひと息つけるような優しい味わいである。基本的に根菜が豊富に入っていることが多いが、具材も地域によって差がある。阿蘇地方では豚肉や根菜を具にして味噌ベースで作られるのに対し、天草地方では貝や鶏肉などが入りすまし汁風で作られるという特徴がある。
白ごはん・お新香と一緒に定食として日常的に食べられており、七味唐辛子・柚子胡椒・阿蘇地区で昔からよく作られているしその実の塩漬けなどの薬味を入れて食べるのが熊本流だ。
だご汁の発祥は農作業で忙しく貧しい農家が、食事の手間と時間を節約するために手早く簡単に作れるとのことで食べられ始めた。練ってあるだごは歯ごたえがしっかりとしているため腹持ちが良く、気軽に食べられるため、だんだんと農家以外の人々にも伝わり、熊本県全土に広がったとされる。そのためだごの形は家庭や地域ごとに異なっているのだ。
だごの作り方はすいとんと似ており、大きめのボールに小麦粉と塩を入れ、適量の水で溶きながらお好みの硬さになるまでこねて、1つにまとまったら濡れ布巾をかぶせ30分~1時間程寝かせる。その後は好みの形のだごにする。
だご汁は熊本県全土で食べることができるが、特に有名なのは阿蘇地方だ。阿蘇市は阿蘇を東西に貫く国道57号沿いとその周辺を「あそだご汁街道」と名付けてPRしており、そこでは38店舗で様々なだご汁を食べ比べ楽しむことができる。
特に冬の寒い時期がお勧めで、ぜひ「あそだご汁街道」で色んなだご汁を食べ比べてみてほしい。
だご汁は白ご飯とお新香と共に定食として食べられる
家庭や地域によってもだごの形状は異なる
七味唐辛子や柚子胡椒をかけるのが熊本流の食べ方と言える