どて焼き
グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。
どて焼き
産地:大阪府
材料:牛すじ肉、合わせ味噌、砂糖、みりん、出汁、青ネギ、七味唐辛子、お好みで練りからし
投稿:大阪支店営業部員
牛スジ肉を串にさす点が大阪のどて焼きの特徴 ¥120/2本
どて焼きは、牛のスジ肉を味噌やみりんで時間をかけて煮込んだもの。鉄鍋の内回りに土手状に味噌を盛り、その中央でまず具材を焼き、熱により溶け出した味噌で"焼き煮込んで"いくことからどて焼きと呼ばれるようになった。発祥は1920年前後の大阪と言われているが、特定できる店などはない。なお、大正後期から昭和初期の大阪を舞台とした無党派の代表作家、織田作之助の『夫婦善哉(めおとぜんざい)』では、多くの食べ物が登場する中で「夜店の二銭のドテ焼」とどて焼きも取り上げられている場面があることから、屋台発祥の料理と推察される。
どて焼きの作り方は、まず牛のすじ肉を下茹でし、アクと過剰な油脂分を抜く。下茹での済んだすじ肉を適当な大きさにカットしたあと串に刺していき、白味噌を主体とした合わせ味噌、砂糖やみりん、出汁を浅い鉄鍋で炒め焼きするようにしてから煮詰めていく。刻んだ青ネギと七味唐辛子をかけて供され、練りからしを添えることもある。付け合わせとして蒟蒻を一緒に煮込むこともある。
東海地方に「どて煮」という類似した郷土料理があるが、大阪から戦後伝わったと考えられている。しかしどて煮はいろいろなモツを使うという点と、赤みそ仕立てであることから味付けの点でどて焼きとは異なる。また大阪のどて焼きは素材が牛スジであるため、煮込むだけではなかなか柔らかくならないことから、焼く調理法が取られたと考えられている。 どて焼きは串カツを提供する飲み屋のメニューの一つとして並んでいる場面が多く、地元客が気軽に立ち寄り、ビールやハイボール、日本酒を片手に楽しむ、お酒のあてにぴったりの大阪を代表する名物料理である。
串カツとどて焼きは大阪の飲み屋では定番メニュー
織田作之助の代表作『夫婦善哉』ではどて焼きの他、大阪の数々の「うまいもん」が登場
食い倒れの街 大阪。新世界では現代も飲み屋がひしめき合う