文化フライ

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TRADITIONAL FOOD MANIA

グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。

文化フライ

産地:東京都足立区
材料:小麦粉(またはうどん粉)、砂糖・ガムシロップ、パン粉、秘伝のソース
投稿:野澤組 東京本社食品部社員

文化フライ

足立区民の懐かしい味 文化フライ 1本¥210

文化フライは足立区発祥のローカルフードである。コロッケのような見た目だが、小麦粉(またはうどん粉)を水で練ったものに砂糖・ガムシロップを加え、 さらにパン粉で衣をつけ油で揚げた東京下町の子どもたちに馴染み深いおやつだ。秘伝のソースをつけて味わう、足立区の名物である。

文化フライが誕生したのは、昭和30年代。足立区にある長谷川商店が、元々浦安で食べられていた「玉子フライ」という料理を元に「文化フライ」を生み出し、 西新井大師をはじめとする足立区近隣の地域で開催される縁日でよく販売していた。夏祭りの最盛期である8月には都内のみならず他県の縁日でも露店を出していたため、 他県に住む人にも馴染みがある。昭和30年代では家庭で揚げ物を食べることが難しく、東京下町の縁日では子供たちに大人気であった。縁日では1本あたり5円程で売られていた。 しかし物価の上昇により150円まで値上がりしたという。名前の由来は当時物に文化鍋や文化干しなど「文化」とつけて売るのが流行していたため、それにあやかり「文化フライ」と名付けられた。

2001年頃に考案者が店じまいをしたため、もう屋台では食べることができなくなってしまい"幻の名物"となりつつある。しかし北千住駅付近にあるお好み焼き屋に受け継がれ、現在提供されている。 実際に店舗を訪れてみると、メニューには詳しい文化フライの説明文はなく、「懐かしいと思える方のみ注文してください」と記載されていた。実際に食してみると、 噛んだ瞬間に衣に染みたソースの甘みが口いっぱいに広がり非常に美味であった。

また文化フライは昭和30年代~40年代の生活の記録として足立区の郷土博物館に食品サンプルが展示されている。文化フライに馴染みがない若者も展示をみることによって、 昭和30年代当時の食生活を知る機会となっている。

足立区立郷土博物館に展示されている文化フライの模型

文化フライの模型

縁日で文化フライが売られていたという西新井大師

西新井大師

水で溶いた小麦粉を焼いたもう一つの足立の名物 ボッタ

ボッタ
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