マカダミアナッツ
グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。
マカダミアナッツ
産地:オーストラリア
投稿:メルボルン駐在員
殻を剥いたマカダミアナッツ
マカダミアナッツの殻は世界一硬いとも言われる
歯ごたえはもろめでややしっとりとしており、味は淡白なマカダミアナッツ。日本では既に一般的だが、オーストラリアが原産であることをご存知だろうか。日本ではマカダミアナッツをチョコレートで包んだお菓子がハワイのお土産で有名なことから、マカダミアナッツはハワイ原産であると勘違いされることが多いが、実はオーストラリア発祥なのである。
マカダミアナッツの歴史は非常に古く、約6千年前に遡る。太古の昔からオーストラリアのクイーンズランド州南部など北東沿岸の熱帯雨林に自生していた。オーストラリアの先住民のアボリジニたちは人類で初めてマカダミアナッツを食したと言われ、ナッツを貴重なご馳走として扱うだけでなく、部族間での取引や儀式の際の特別な贈り物にするなど非常に大切にした。マカダミアナッツが注目され始めたのは1950年代。ヨーロッパの植物学者がクイーンズランドに生える美しい木々を発見し、友人で当時著名であったジョン・マカダム博士の名前を元に「マカダミア」と名付けた。この発見からマカダミアは世界中に存在が知られることとなる。
そんな歴史のあるマカダミアナッツの最大の特徴は栄養成分が豊富な点といっても過言ではない。「ナッツの王様」と言われるほど、植物性のタンパク質、抗酸化作用を持ったビタミン類、食物繊維、ミネラルなどが豊富に含まれている。生活習慣病予防、血行改善・代謝促進や便秘予防・改善にも効果があるとされており、日常的に取り入れたい栄養成分が多く含まれている。ではオーストラリアではどのようにマカダミアナッツを食事に取り入れているのだろうか。調べてみると、ハンバーガーのビーフパテにマカダミアナッツを練りこんだり、魚のソテーにかけるタルタルソースに砕いたナッツを混ぜて食感を良くしたり、アイスクリームやブラウニーなどのデザートに混ぜたりするようだ。また近年手軽にマカダミアナッツの栄養成分を取り入れる手段として注目されているのが「マカダミアミルク」で、オーストラリアのスーパーでも数多く販売されている。
そのまま食しても、料理の一部に使用しても良い万能なマカダミアナッツ。手軽に手に入るため日常的に取り入れてほしいが、一日の摂取量の目安はひと掴み(30g程度)であるので食べすぎには注意してほしい。
オーストラリアのお土産としても非常にメジャーなマカダミアナッツ
ここ最近はマカダミアナッツのミルクも登場している
地元のマーケットでナッツ類が量り売りされている様子