ピエロギ
グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。
ピエロギ
産地:ポーランド
材料:卵、サワークリーム、小麦粉、具材、ベーキングパウダー、塩
投稿:アムステルダム駐在員
挽肉とリコッタチーズが入ったピエロギ
5つも食べればお腹一杯になるというボリューム
この水餃子のような形をした料理はポーランドの郷土料理「ピエロギ」である。ポーランド人なら誰もが好きな主食で、その具材は多岐にわたる。挽肉、マッシュポテト、チーズ、羊乳チーズ、ザワークラウト、キノコなどが一般的な具材として詰められることもあればデザート用として新鮮な果物を詰められることもある。主に茹でて提供することが多いが、店舗によっては焼いて提供することもある。ポーランドではテラス席で日光を浴びながらビールを片手にピエロギを食べる人々をよく目にするが、ピエロギとビールはとても相性が良い。
そんなピエロギはかつてポーランドとリトアニア共和国の東部辺境地帯の貧しい下層農民の料理であった。調理に様々な工夫をしたり、高価な材料を用いたりしたことで、ピエロギは貴族や商人を含むポーランドの全ての社会階級に普及した。それと同時に貧しい東方辺境地方の下層農民の料理が改良されたという歴史もある。
ここでピエロギの作り方を紹介したい。まずはピエロギに入れる具材に火を通し、冷ましておく。次は皮作りだが、実はピエロギ作りにおいて最も難しいのは皮作りである。卵とサワークリームを滑らかになるまでかき混ぜ、ふるいにかけた小麦粉・ベーキングパウダーと混ぜ合わせる。ある程度生地がまとまったら耳たぶより少し硬い程度になるまでこねる。麺棒で3ミリほどの厚さにのばし、丸いコップで型抜きをする。生地の中心に具をのせ、周囲を水で濡らし、フォークを使ったりそのまま素手で包んだりする。大きな鍋にお湯を沸かし、塩を少々入れたらピエロギを5分程茹でる。茹で上がったピエロギに溶かしバターでパン粉を揚げたソース、もしくはラードでカリカリに揚げたベーコンと玉ねぎをかけて完成。デザートの場合はアップルソースなどをかけて食べるのが主流である。
日本で本場のピエロギを口にすることはなかなか難しいので、ぜひとも手作りに挑戦してほしい一品である。
焼いたピエロギも提供されることがある
ピエロギに合うポーランド産ビール
ワルシャワ旧市街
ワルシャワにはピエロギ専門店が多くある