のっぺ
グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。
のっぺ
産地:新潟県
材料:乾燥ホタテ貝柱、干しシイタケ、蓮根、里芋、人参、こんにゃく、かまぼこ、銀杏、いくら、だし汁(家庭によって具材・だし汁は異なる)
投稿:新潟営業所 営業部員
汁物のように見えるが、煮物である
「のっぺ」とは、野菜をたっぷりと使用した新潟県の郷土料理。新潟県では当たり前のように食べられている家庭料理で、古くから正月やお盆などの年中行事の際に作られてきた。新潟全土で食べられ、家庭に限らず小料理屋または居酒屋などでも提供される。
名前の由来は、「濃餅」や「能平」と書かれる「ぬっぺい」から来ており、"とろみ"のあるという意味。のっぺのほかに、"ぬっぺい"や"ぬっぺり"と呼ばれることもある。
作り方は乾燥ホタテ貝柱と干しシイタケをそれぞれ水で戻し、その他の具材を短冊もしくは細切りにする。鍋にだし汁を移し、かまぼこ・銀杏・いくら以外の具材の灰汁を取りながら煮込む。火が通ったらかまぼこと銀杏を入れ、味付けをする。ここに茹でておいたいくらを入れる。 加熱し、表面が白くなった状態のいくらを新潟では"とと豆"と呼んでおり、のっぺには欠かせない材料である。加熱することでプチっと口の中ではじけるような食感に変化するため、生のいくらよりとと豆の方を好むという声もある。またのっぺのとろみは片栗粉ではなく、里芋からでる自然のとろみである。温かくしても冷たくしても美味しいなので、1年を通して食べられる。
ところで、のっぺに類似している「のっぺい汁(濃餅汁)」という料理はご存知だろうか。のっぺい汁は全国的に食されている料理で、残ってしまった野菜の皮やヘタをごま油でいためてから煮込んだ汁物。濃餅とは餅のようなとろみを意味しており、その名前の由来はのっぺと同様でとろみであることがわかる。 ルーツは精進料理だが、現在では鶏肉や魚を加えることもある。「のっぺ」との違いは、「のっぺ」はあくまで煮物であり、残り物の野菜などではなく、食材にもこだわっている点が大きく異なる。
来年はおせちにのっぺをプラスして温かい正月にしてみてはいかがだろうか。
乾燥ホタテ貝柱を水で戻す
根菜などの固い具材から煮込み、かまぼこや銀杏は後から入れる。
のっぺには多くの材料を使用する