トムヤムクン
グローバル化が進む現代だからこそ、根強く愛され続けているのは地元の郷土料理。
ほっとする家庭料理、ならわしとしての食事、季節を感じる食材etc...
各国各地の文化をのぞいて下さい。
トムヤムクン
産地:タイ
材料:鶏がらスープ、海老、ふくろたけ、チリ・イン・オイル、ココナッツミルク、カー(タイの生姜)、レモングラス、バイマクルー(こぶみかんの葉)、ブリッキー・ヌー(唐辛子)、ライムの絞り汁、ナンプラー、コリアンダー
投稿:東京食品部員
タイの伝統料理 トムヤムクン
世界三大スープの中で最も辛い
世界三大スープの一つである「トムヤムクン」は南国タイの伝統料理である。ブリッキー・ヌー(唐辛子)の辛味とライムの絞り汁の酸味とココナッツミルクの甘さが絡み合い、エスニック独特の味わいが楽しめるスープだ。タイでは暑い夏の時期に酸味による食欲増進及び辛味による発汗効果で熱を冷まし、冬の時期に唐辛子の辛味で身体を中から温められるため、季節を問わず食べられている。唐辛子の種子に含まれるカプサイシンは発汗作用の他にも血流を強くする働きを持っており、内臓脂肪の燃焼にも効果を発揮するため健康面やダイエットにも効果が見込めるとされる料理だ。
トムヤムクンの名前の由来は非常にシンプルで、タイ語で「煮る(トム)和える(ヤム)海老(クン)のスープ」という言葉からきている。つまりメインの具材が海老のものを「トムヤムクン」と呼び、メインの具材が鶏肉である場合は「トムヤムガイ」、イカの場合は「トムヤムプラームック」といった呼び方になる。
日本ではあまり知られていないが、トムヤムクンにはココナッツミルクが入ったまろやかで濃厚なスープの「トムヤムクン・ナムコン」と透き通ったスープで酸味と辛味がストレートに味わえる「トムヤムクン・ナムサイ」の2種類がある。日本で一般的に知られているのは「トムヤムクン・ナムコン」で味も馴染みやすいが、元々のオリジナルは「トムヤムクン・ナムサイ」。かつて食通であった国王が欧州視察に行った際に食べたシチューに感動し、トムヤムクンにミルクを入れたことで「トムヤムクン・ナムコン」が誕生したという話もある。
そんなトムヤムクンの作り方は次の通りである。海老の背腸を取り除き頭と剥き身に分け、レモングラスを斜め切りに、ふくろたけを半分に切り分ける。さらにカーをスライスし、バイマクルーは葉脈を取ってから細かく千切る。鍋にバターを溶かし、ニンニクを炒めて香りを出した後肉を炒める。鍋に鶏がらスープ・海老の頭・レモングラス・バイマクルー・カー・ココナッツミルクを入れて沸騰させる。沸騰したらふくろたけと海老の剥き身とブリッキー・ヌーを入れて煮立て、ナンプラーと塩とライムの絞り汁で味を調える。
これから厳しい寒さとなる冬の時期だけでなく健康面・ダイエット効果も見込めるので、是非トムヤムクンを試してみてほしい。
トムヤムクンには
エビがまるごと入っている
トムヤムクンの材料は市場で一通り揃う
トムヤムスープに麺を入れた
トムヤムヌードルもある