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ウォッシュチーズの魅力を全力で語る!

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チーズラヴァーの皆さん、“CHEESE FM”のお時間です。
今宵も奥深く濃密なチーズの世界へ、ようこそお越しくださいました。
この時間は、普段聞きたいけど聞けないチーズの素朴な疑問をわたくし、DJゴーダが丁寧にご説明いたします。
本日もチーズラヴァーの皆さんよりたくさんのお便りを頂いております…。
それでは早速、本日のお題に参りましょう。

ウォッシュチーズの魅力を全力で語る!

ラジオネーム "グリーンピスタチオ" さんからのお便りです。

「どうしてもウォッシュチーズが苦手です。ウォッシュチーズが好きになれるような魅力を語ってください。おすすめのウォッシュチーズも教えてほしいです」

ウォッシュチーズ

チーズラヴァーズの皆さん、こんばんは~! 今宵も始まりました「Cheese FM」のお時間です。
最近は暖かい気候が続いて、待ちに待った春の訪れを感じますね。
感染症もようやく落ち着いてきたので、久しぶりの花見を楽しんだラヴァーズも多かったのではないでしょうか?
私は先日近くの公園に咲いている桜を見に行きまして、何組ものファミリーがテントを張ってピクニックをしている様子を見かけました。チーズをたくさん揃えてピクニックに行ったら楽しそうだな~と呑気なことを考えてしまいましたね!

ええと、本題に戻りましょう。今回のお便りは"ウォッシュチーズがどうしても苦手"なラヴァーズからですね。
確かにウォッシュチーズはいわゆる"通向け"に分類されるようなチーズなので、初めて食べる人はびっくりするかもしれませんね!
でもウォッシュチーズそのものについてや、美味しく食べる方法などを知れば好きになること間違いナシなチーズなんですよ~!
それでは今回はウォッシュチーズについて、語っていきましょう!!

ウォッシュチーズとは?

ここからは、ウォッシュチーズについて解説していきます!
ウォッシュチーズとはチーズの外皮を塩水・ビール・ブランデー等のその土地にちなんだお酒で洗いながら熟成させたチーズのことを指します。
明るく鮮やかなオレンジ色の表皮が特徴で、これは外皮を塩水で洗うことでチーズの表面に付けたリネンス菌が成長し、チーズの熟成を促してくれているからこその色なんです。
そのリネンス菌は分解力が強く、なおかつ匂いが強烈なので、定期的に表面を洗って菌の量を調整してあげる必要があります。だから、"ウォッシュ"チーズなんですね~!納得!

さてウォッシュチーズを語るのに欠かせないのが、その独特な"匂い"ですね。
調べてみると納豆の匂いだったり、脱ぎたての靴下のにおいだったりと散々な言われようですが、実際リネンス菌は納豆菌の遠い親戚のような菌なので、あながち間違ってはなかったり...。
この匂いのせいでウォッシュチーズは通向きのチーズと言われることが多いです。
しかし!!! 独特な匂いは表皮のみ、中身はとってもミルキー&マイルドで食べやすいので、敬遠しているラヴァーズにもぜひ食べていただきたいチーズです。

さて、ここでウォッシュチーズに分類される代表的なチーズたちに登場してもらいましょう!

タレッジョ

タレッジョ

モン・ドール

モン・ドール

ポン・レヴェック

ポン・レヴェック

マンステール

マンステール

ウォッシュチーズ界の世界代表みたいなチーズが勢ぞろいですね。
まずイタリア産のタレッジョ、そしてフランス産のモン・ドール、ポン・レヴェック、そしてマンステールです。モン・ドールは以前、冬に代表するチーズとして話題に取り上げたことがありますよね。
程度はそれぞれ違いますが、表皮は鮮やかなオレンジ色で、中身は白くてやわらかそうな見た目をしています!

そんなこと言われても匂いが無理!という方は、外皮を外して中身を食べるだけでも随分と匂いを抑えることができますよ♪
他にも熟成が進んで組織がトロトロになったものは少量の白ワインを足して加熱しチーズフォンデュにしたり、白身魚のソースにしたり、温野菜に合わせても美味しく食べることができます。
意外に肉や野菜、フルーツとも相性がいいチーズなので、ぜひ敬遠せずにトライしていただきたいですね。

本当はそれぞれのチーズについて詳しくお話したいのですが、お時間に限りがあるので今回はイチオシのウォッシュチーズを紹介させていただきます。
私の"推し"ウォッシュチーズは、ウォッシュチーズの代表格といわれるフランス産の「エポワス」です。

ウォッシュチーズの代表格「エポワス」

ウォッシュチーズのなかで確固たる地位を築き名声を馳せているチーズ、それがエポワスなんです!
エポワスの愛好家は多く、フランスの美食家ブリア・サヴァランがエポワスを「チーズの王」と讃え、英雄ナポレオンにも愛されていました。

エポワス

さて、エポワスはワインで有名なフランス・ブルゴーニュ地方にあるエポワス村で作られたチーズです。
チーズではあるあるですが、村の名前がそのままチーズの名前になっているんですね。

伝承によると、16世紀初めにエポワス村にある大きな修道院でエポワス作りは始まっていたそうです。
チーズを作っていた修道士がこの地を去るときに、地元の農家にチーズの製法を伝え、その後改良を重ねて多くの農家が生産するになりました。
しかし世界大戦でエポワスの作り手がいなくなってしまい、絶滅の危機に瀕しますが、その状況を憂いた農家がエポワスを復活させます。

エポワス村

ところで、エポワスのウォッシュ工程には塩水で洗うだけじゃない特徴があります。
塩水に"マール・ド・ブルゴーニュ"というブルゴーニュワイン製造時に排出されるぶどうの搾りかすで作る蒸留酒を混ぜたもので表面を洗います。マールの濃度は薄いものから始め、回数を追うごとに濃度を増し、最終的にはマール100%の濃度で洗っていきます。 まさにブルゴーニュでしか作れないチーズなんですね。

チーズ

若いうちのエポワスをカットしてそのまま頂くのもいいのですが、オススメはトロトロになるまで熟したエポワスをスプーンですくってバゲットと共に食べてみてほしい!
先日エポワスをバゲットにのせて食べる機会があったのですが、もう本当にトロトロでミルキーで美味しすぎて......、わたくしびっくりしてしまいました。本当に美味しいときって言葉が出てこないんですね。
仕事中でしたのでワインはありませんでしたが、同郷のブルゴーニュワインと合わせれば完璧なマリアージュになるんでしょうね...。

おっと、もうこんな時間なんですね。残念ですが、そろそろ終わりのお時間が近くなって参りました。
わたくしエポワスの話ばっかりしてしまいましたが、ウォッシュチーズって本当に美味しいので見た目や匂いで敬遠しているラヴァーズがいたら、ぜひ思い切って食べてみてほしいです。
大切にウォッシュされているので、多少値が張るチーズですが、食べると幸せな気持ちになり虜になってしまうことでしょう...。
それではまた来週♪ See you again!!

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