ピザとピッツァの違いとは?①ピッツァの誕生秘話編
今宵も奥深く濃密なチーズの世界へ、ようこそお越しくださいました。
この時間は、普段聞きたいけど聞けないチーズの素朴な疑問をわたくし、DJゴーダが丁寧にご説明いたします。
本日もチーズラヴァーの皆さんよりたくさんのお便りを頂いております…。
それでは早速、本日のお題に参りましょう。
ピザとピッツァの違いとは?①ピッツァの誕生秘話編
ラジオネーム "関西のこんがりピザっこ" さんからのお便りです。
「チーズは勿論大好きですが、私は年間100枚以上のピザを食べる大のピザ好きです。今度自宅で友人を招いてピザパーティをするのですが、その時に話題にできるような豆知識を教えてください。ちなみにマルゲリータを焼こうと思っています」
チーズラヴァーの皆さん、こんばんは! 今宵もはじまりました「Cheese FM」のお時間です。
さてさて今回のお便りは、"ピッツァ"に関するお便りですね~。
このようにチーズの垣根を超えたお便りも当然私の守備範囲ですので、チーズの話題も絡めてはりきって豆知識をお披露目したいと思います!
いきなりですが、皆さんは"ピザ"と"ピッツァ"の違いってわかりますか?
「え、違いなんてないでしょ」という声も聞こえてきそうな気がしますが、実は両者には明確な違いがあるんですよ!
日本ではピザと呼ぶ人が大多数だと思いますので、なんとなくピッツァと言うと気取っているような気がしてむずがゆくなるかもしれませんね。
でもこの呼び方の違いがわかると、ピッツァが世界的に食べられる料理に発展した経緯や日本でピザと呼ぶ理由がわかります。
ということで前置きが長くなりましたが、今回はピッツァの豆知識ということで、ピザとピッツァの違いからピッツァが世界中で発展した理由についてお話します!
歴史が長いピッツァについて語るので2回に分けてお届けします~!
生まれはイタリア、育ちはアメリカ
「生まれはイタリア、育ちはアメリカ」って誰の話?と思いますよね。これピッツァの話なんです。
このピッツァ誕生から成長までの物語が、呼び方の違いに大きく関係しているので簡潔に紹介しますね。
ピッツァが誕生したのは16世紀のイタリア。
小麦粉ベースの生地に、ニンニクやラードや塩を混ぜ合わせて焼いたものが原型だと言われています。 フォカッチャに近いものを想像してもらえればわかりやすいですね!
その後16世紀後半から17世紀にかけて、イタリア・ナポリでは食用のトマトが栽培されるようになり、近郊ではモッツァレラ・ディ・ブッファラも誕生しました。その2つをトッピングしたピッツァは、あまりの美味しさで瞬く間にナポリで広まりました。
ここでナポリピッツァの小噺を一つ...。
ナポリピッツァで人気No.1といえば、もちろんピッツァ・マルゲリータですね。
実は"マルゲリータ"という名前は実在した王妃の名前が由来になっています。イタリア王ウンセルトI世の王妃であるマルゲリータが1889年にナポリを訪れた際、彼女にトマトソースにモッツァレラチーズとバジルをのせて焼いたピッツァが献上されました。
トマトの赤、モッツァレラの白、バジルの緑...イタリア国旗を彷彿とさせる色合いを王妃が大変気に入ったことから、そのピッツァは"マルゲリータ"と呼ばれることになります。 今や全世界で親しまれているピッツァ・マルゲリータはピッツァ界の王妃と言っても過言ではありませんね。
さて、話を戻します。
イタリアで広く普及したピッツァ(Pizza)をピザと呼び、全世界に広めたのはアメリカなんですね。 イタリアでピッツァが誕生してから約300年後の1905年にニューヨークで初めてのピッツェリアがオープンします。
そして"ピザ"として爆発的に普及するようになったきっかけはアメリカでの宅配ピザの誕生です。
1960年にアメリカで宅配ピザの1号店が誕生し、その業態が世界各国に広がったことでピザが多くの国で食べられるようになったのです。
そんな宅配ピザは1985年に日本に上陸し、ピザは一般家庭にも広く親しまれるメニューへと成長したのです!
このピッツァとピザの誕生と成長物語、いかがでしたでしょうか?
つまりこの料理をイタリアでは「ピッツァ」と呼んでいて、アメリカでは「ピザ」と呼んでいるということになります。
日本はアメリカで誕生した宅配ピザによって普及したため「ピザ」という呼び方が一般的ということです!
ちなみに私は発祥国であるイタリアへの敬意を表して"ピッツァ"と呼んでいます。
さて全2回でお送りするピッツァとピザの違いについて...、今回はマルゲリータの小噺をはさみつつピッツァとピザの誕生秘話をお話いたしました。
宅配ピザを食べるときはピザ、レストランで食べるときはピッツァ。意識して使い分けられるカッコいい大人を目指したいものです...。
次回はピッツァとピザの違いについて、なかでも使われるチーズの違いに触れていきたいと思います。 それでは今週のチーズFMはこの辺で! See you again!