ピザとピッツァの違いとは?②探求編
今宵も奥深く濃密なチーズの世界へ、ようこそお越しくださいました。
この時間は、普段聞きたいけど聞けないチーズの素朴な疑問をわたくし、DJゴーダが丁寧にご説明いたします。
本日もチーズラヴァーの皆さんよりたくさんのお便りを頂いております…。
それでは早速、本日のお題に参りましょう。
ピザとピッツァの違いとは?②探求編
ラジオネーム "関西のこんがりピザっこ" さんからのお便りです。
「チーズは勿論大好きですが、私は毎日朝と夜に必ずピザを食べるほどピザが大好きです。今度自宅で友人を招いてピザパーティをするのですが、その時に話題にできるような豆知識を教えてください」
チーズラヴァーの皆さん、こんばんは! 今宵もはじまりました「Cheese FM」のお時間です。
前回は"ピッツァ"と"ピザ"の違いについてお話しました!
イタリアではピッツァ、アメリカではピザと呼ばれているんでしたね。
それでは今回もピッツァとピザの違いについてさらに深掘りしていきたいと思います!
ピッツァとピザの違い
さて、育った場所が異なることから呼ばれ方が異なるピッツァとピザ。
実は異なるのは名前だけではないんですねえ...。
イタリアからアメリカへと舞台が移った過程で生地の製法やトッピングをはじめとする食べ方は文化と風土を吸収して変化していきましたので、それぞれ結構な違いがあるんです。
まずは使用されるチーズの違いについてみてみましょう。
それでは写真をご覧ください。
左がピッツァの写真で、右がピザの写真です。どうでしょう、チーズの違いわかりますか?
写真だと一見分かりづらいですが、実は使われるチーズの種類が違います!
ラヴァーズならご存知だと思いますが、国が違えば作られているチーズも違いますよね。
イタリアとアメリカで作られているチーズをそれぞれ思い浮かべてみてください。
古くから続く伝統的な製法でチーズを作るイタリアでピッツァにのせるチーズといえば、作り立てのフレッシュモッツァレラが王道!
前回も紹介したフレッシュモッツァレラにトマトとバジルを合わせた"ピッツァマルゲリータ"は世界中で親しまれている伝統的なナポリピッツァですね。
またチーズのピッツァとして有名な"クアトロ・フォルマッジ"は、ゴルゴンゾーラ / タレッジョ / モッツァレラ / パルミジャーノ・レッジャーノの組み合わせが代表的で良く知られています。
対して、アメリカのピザに使われるチーズは短冊状に加工されたチェダーチーズなどが一般的。
日本のスーパーで購入できるシュレッドチーズを想像してもらえば分かりやすいと思います。
アメリカのピザにはとにかく大量のチーズが使われます。
ですのでイタリアのように伝統的な製法で丁寧に作られたチーズではなく、工場で大量生産できるチェダー等のセミハードチーズをメインで使用します。
後程説明するシカゴピザのように、ピザを切った瞬間にチーズがドロドロと流れ出す大胆な迫力はチーズを大量にトッピングしているアメリカピザのなせる業と言えますね~!
こだわりのイタリア、自由のアメリカ
ピッツァとピザの違いはまだまだあります!
タイトルの通り「こだわりのイタリア、自由のアメリカ」ということで、スタンスの違いを見ていきたいと思います。
ナポリピッツァは今や全世界で食べることができるピッツァですが、そもそも作ったものを「ナポリピッツァ」と呼ぶには厳しい条件があることを知っていますか?
製造地に指定はないものの、生地には小麦粉・水・食塩・酵母のみを使用すること、混ぜる・こねる・生地を延す作業はボウルを使用せず手作業で行うという決まりもあったりします。
窯の温度や燃料からトッピングの種類まで細かく決められているんです!
対して宅配で食べられることが多いアメリカのピザは、お店ごとに製法や使用する材料が異なります。
ソーセージやパイナップル等の変わったトッピングがのっていたり、生地が分厚いシカゴピザや四角いデトロイトピザのように形が自由だったり、アメリカの広い国土が地域特有のピザ文化を生んでいると言えます。
マナーの違い
最後に最も大切な部分、食べ方のマナーです!
アメリカのピザはデリバリーが主流なので基本的に複数人と食べることが前提とされています。そのことからピザは食べやすく均等に切り分けられていて、ピザを手で掴んで食べます。
一方イタリアのピッツァはシェアをせず、1人1枚食べるのがマナーです。ピッツァに切れ目は入っておらず焼きたてのまま提供されたピザをナイフとフォークで食べます。
日本で気にする人はあまりいないと思いますが、もし本格的なピッツェリアに行く機会があったら備え付けのナイフとフォークでいただきましょうね!
まだまだ語りたいことは尽きないのですが、そろそろお別れのお時間が近づいてきました。
イタリアではピッツァと呼ばれていると何度もお話してきましたが、しかしながらイタリアでもピッツァって一括りにはできない料理なんですよ。
ピッツァは相当歴史が長いので、土地ごとに独自のピッツァ文化が発展していて、今回話題にあげたナポリピッツァだけでなくローマやミラノにもイタリアを代表するピッツァがあります。
......話し始めると止まらなくなってしまいますので今回はここまでにしておきます。
とにかくピッツァは深掘りすると面白い料理であることをわかっていただけたと思いますので!
それでは今週のチーズFMはこの辺で! See you again!