ブラウンチーズってどんなチーズ?
今宵も奥深く濃密なチーズの世界へ、ようこそお越しくださいました。
この時間は、普段聞きたいけど聞けないチーズの素朴な疑問をわたくし、DJゴーダが丁寧にご説明いたします。
本日もチーズラヴァーの皆さんよりたくさんのお便りを頂いております…。
それでは早速、本日のお題に参りましょう。
ブラウンチーズってどんなチーズ?
ラジオネーム "水槽のカクレクマノミ" さんからのお便りです。
「"ブラウンチーズ"なるものを売り場で見かけたのですが、これはどのようなチーズなのでしょうか? 味や特徴だけでなく、何か語れるようなエピソードをください」
チーズラヴァーズの皆さん、あけましておめでとうございます~!
2023年がスタートして早1週間、まだまだお正月気分が抜けきらないラヴァーズも多いことでしょう。
ご安心ください、かくいう私もその一人でございます...。
しかしながらこのお正月の間も、チーズに対する情熱は増すばかり! いち早く皆さんとチーズの話をしたくてウズウズしておりました!
今年もチーズのHOTな話題を提供するCheese FMをどうぞよろしくお願いします!
さて今年1発目のテーマは、今注目を集める『ブラウンチーズ』です。
う~ん、今まで紹介してきたチーズとはちょっと趣向が変わっていいですねえ。
まだ知る人ぞ知るものではありますが、この機会にブラウンチーズについてぜひ知識を深めていってください。
ブラウンチーズとは?
ブラウンチーズ(別名:ブルノスト)はノルウェー発祥のホエイを煮詰めて作った乳製品で、ノルウェーの国民食とも言われるほど生活に根付いた食品です。
茶色の滑らかな組織が特徴的で、チーズというよりは大きいキャラメルに見えますよね。
実は、味もキャラメルに近しいものがあります! ほのかな甘みと塩気、そして少々の苦みとコク...チーズのなかではかなりの個性派さんですね。
ブラウンチーズはノルウェーならどこでも購入することができるようで、スーパーでは様々なブランドのものが取り揃えてあります。
大きな塊をチーズスライサーで薄く削り、パンやワッフルにトッピングしジャムをのせて食べるのがノルウェー流だそうですよ! コーヒーとも相性が良さそうですね~♪
ホエイが主原料のブランチーズ
ところでブラウンチーズは名前に"チーズ"とついていますが、厳密にいうと日本ではチーズに分類されないんです!
ナチュラルチーズはご存知の通り生乳や生山羊乳などから作られていますが、このブラウンチーズはナチュラルチーズの製造過程で出るホエイ(乳清)が主原料として使われているからなんですね~。
作り方はすごくシンプルです。大きな釜でホエイ(乳清)・生乳または山羊乳とクリームが合わせられ、糖分がカラメル状になるまで長時間煮詰めます。煮詰めたものを型詰めして冷やせば、もう完成!
時間はかかりますが、自宅でも材料とお鍋があれば簡単にブラウンチーズが作れちゃうんですね~。
ホエイの活用プロジェクト
ちょっと話が逸れますが、ここでホエイの話をさせてください!
ナチュラルチーズを作ると大量のホエイが副産物として得られるのは知ってますか?
"大量"がどのくらいかと言うと、生乳を100%としたときにチーズになるのはわずか10%、残りの90%はホエイです。想像しているより大量ですよね?
ホエイはプロテインパウダーになったり化粧品になったりと色々と再利用はできるのですが、それには設備投資が必要になり、しかも有機物をたくさん含んでいるので簡単には廃棄できず、経済的な負担もかかってしまいます。
そこで注目されたのがブラウンチーズです!
日本のとあるチーズ工房では、大量のホエイを廃棄することなく活用するためのプロジェクトを立ち上げ、その手段のひとつとして『ブラウンチーズの製造』に着手しました。
ブラウンチーズは製造過程で硬さを調整できるので、ペースト状にしてアイスクリームに使ったり、お菓子の原料にしたりすることで、ホエイ利用の可能性を広げています。
う~ん、チーズラヴァーとしてはブラウンチーズのアイスクリームがものすごく気になります...。
そうした活動が広がり、今では日本のいくつかのチーズ工房がブラウンチーズを製造するようになりました。ブラウンチーズを製造する工房のネット通販で購入できますので、気になるラヴァーズがいたら試してみてくださいね~。
おっと、そろそろお別れのお時間が近づいてきましたね。
いや~、ノルウェーに行かずともブラウンチーズが日本で味わえるなんて、最高じゃないですか?
日本で作っている工房に感謝の気持ちでいっぱいですし、しかもそれがホエイの利用にも繋がるなんて...!
ぜひ、このブラウンチーズの話ひいてはホエイ利用の話を色んなラヴァーズに共有してくださいね♬
それではまた来週! See you again!!