穴があいているチーズって?
今宵も奥深く濃密なチーズの世界へ、ようこそお越しくださいました。
この時間は、普段聞きたいけど聞けないチーズの素朴な疑問をわたくし、DJゴーダが丁寧にご説明いたします。
本日もチーズラヴァーの皆さんよりたくさんのお便りを頂いております…。
それでは早速、本日のお題に参りましょう。
穴があいているチーズって?
ラジオネーム "おもちねずみ" さんからのお便りです。
「チーズのイラストというと穴があいたチーズが描かれることが多いですが、あれはどんなチーズなのでしょうか?なぜ穴があいているのかも教えてください!」
チーズラヴァーズの皆さん、あけましておめでとうございます!
また新たな一年が始まりましたね!みなさまはお正月をゆっくり過ごせましたでしょうか?
私はお正月の間にもチーズのことばかり考えていました!今年も皆さんとたくさんチーズのお話をして盛り上げていきたいです!
2025年もCheese FMをどうぞ宜しくお願い致します!!
さて今年最初のテーマは「穴あきチーズ」についてです。
イラストではよく見るけれど、実際に普段食べるチーズは穴があいていないものがほとんどかと思います。これはどんなチーズなのか、そしてなぜ穴があいているのか、お話していきたいと思います!
穴あきチーズの正体
さて早速、この穴あきチーズの正体ですが、よくモデルとされるのはスイスのエメンタールチーズです!
日本ではあまり一般的ではなく馴染みが薄いかもしれませんが、スイスを代表するハードタイプのチーズで、「チーズの王様」とも呼ばれるほど欧米では非常に有名なチーズです。
マイルドな味わいとまろやかな口当たりが特徴で、口に含むとナッツのような木の実に似た香りが漂います。そのためそのまま食べても、様々な料理に活用しても美味しく食べられます。チーズフォンデュに使われるチーズとしても広く知られています!
穴ができる理由
チーズに穴ができる理由について、実はまだはっきりと解明はされていないのですが、2つの説が有力とされています。
1つ目は、プロピオン酸菌による炭酸ガスが関係しているという説です。エメンタールチーズは、温めた牛乳に乳酸菌を加え、その後にレンネットとプロピオン酸菌を加えてつくります。プロピオン酸菌を牛乳に加えて高温熟成させると、酢酸が生成されてチーズ中に炭酸ガスが発生します。その炭酸ガスの気泡がチーズの内部で固まることで穴ができる、というのが1つ目の仮説です。
この説は、1917年にアメリカ人の科学者が結論付け、長年信じられてきたものでした。 しかし、2015年にスイスの研究者たちが、チーズをつくる原料である生乳に紛れ込んだ干し草の微粒子がチーズに穴を形成する、という新しい研究結果を発表しました。干し草の微粒子が核の役割を果たして、ガス溜まりを発生させるという説です。これが2つ目の仮説になります。
実際に、近代の衛生管理や搾乳技術は日々進化しており、干し草の混入も激減していることからか、チーズの穴も昔と比べると小さく、数も少なくなっていることが確認されています。
さてさて、そろそろお別れの時間となってしまいました。
以前よりも衛生管理や技術が進んでいるのは素晴らしいことですが、その代わりに穴あきチーズの存在が今後なくなってしまうかもしれないと思うとなんだか少し寂しいですね...
ところでこの穴ですが、実は名前がつけられていて、眼に例えて“チーズアイ”と呼ばれています。年々減っているこのチーズアイですが、一人でも多くのチーズラヴァーズに覚えてもらえたら嬉しいです!
それではまた来週! See you again!!