真っ黒いチーズ?
今宵も奥深く濃密なチーズの世界へ、ようこそお越しくださいました。
この時間は、普段聞きたいけど聞けないチーズの素朴な疑問をわたくし、DJゴーダが丁寧にご説明いたします。
本日もチーズラヴァーの皆さんよりたくさんのお便りを頂いております…。
それでは早速、本日のお題に参りましょう。
真っ黒いチーズ?
ラジオネーム "水面に浮かぶ雲" さんからのお便りです。
「最近チーズが好きになっていろんな種類のチーズに興味を持ち始めているのですが、変わり種のものがあったら教えてほしいです!」
チーズラヴァーの皆さん、こんばんは! 今宵もはじまりました「Cheese FM」のお時間です。
ついに夏シーズンに入り、どんどん暑くなってきていますね。今年は梅雨入りが遅かったので、夏の暑さが終わるタイミングもずれるのでしょうか?あまり考えたくないですね…。私は暑いのが得意ではないので、今から涼しい気候が待ち遠しいです。
皆さんも、水分と塩分をしっかり摂ってきちんと暑さ対策をしてくださいね!
さてさて、今回は変わったチーズについて教えてほしいとのお便りがきていますね。
チーズはとても沢山の種類があるので変わったものも多いですが、今回は見た目の変わったチーズについて話しましょう。みなさんは真っ黒いチーズをご存知ですか?山羊の乳からできたシェーブルタイプのチーズで、黒いものがあるんです。今回はそのチーズについてご紹介していきます!
シェーブルタイプのチーズについて
まずシェーブルチーズとは、山羊の乳で作られたチーズのことです。実は、牛乳でつくるチーズよりも歴史が古くて、元祖ともいえるチーズなんです。その始まりはなんと紀元前とか、、、!
シェーブルチーズは山羊乳特有の風味が非常に独特でクセが強いため好き嫌いが分かれやすいチーズだと言われています。しかしそのおいしさに気づき、一度ハマるとやみつきになってしまうという魅力的なチーズでもあるんです。
また、シェーブルチーズはとても柔らかく、脆い組織のタイプが多いという特徴もあります。そのため大型に成型するのが難しく、他のチーズよりも小型で形のバリエーションが豊かです。例えば、ピラミッド型やバトン型、円すい型など。いろんな形のものがあるので、見ているだけでワクワクしてきますね!
真っ黒いチーズ
そんなシェーブルタイプのチーズの中に、表面が真っ黒いチーズがあるんです。
代表的なものだとフランスの「サント・モール」や「ヴァランセ」などになるのですが。
ところで、この表面の黒い正体はなんだと思いますか?
一見カビかなと思うかもしれませんが、実はなんと”炭”なんです。木炭の粉がチーズの外側にまぶされています。
炭には殺菌効果があり、雑菌を寄せつけない効果があるため、若いチーズを不要な菌から守ってくれます。それに加えて、水分量をうまくコントロールしてくれる力もあるんです。
ちなみにチーズの周りにまぶされた炭は食べられるのでご安心くださいね!
これらのチーズがどのように作られているかというと、チーズの形が出来上がったタイミングで、木炭粉と塩を混ぜたものをチーズの表面につけて熟成させることで黒いチーズになります。このようにすることで、できたての水分の多いチーズに雑菌を寄せつけず、熟成に必要なカビ菌のみの繁殖を促します。急激な水分の蒸発も防げるので、乾燥もしすぎず、程よく熟成が進むんですね。順調に熟成が進むと、真っ黒なチーズにうっすらと白いカビが生え、表面はだんだん灰色になっていきます。
食べごろ
シェーブルチーズはどの段階の熟度でも楽しめるチーズなんです。
表面が真っ黒な時は、まだ熟成が進んでおらずフレッシュな状態なので、さわやかな酸味が特徴的です。熟成が進んで表面が灰色になっていくと、酸味がまろやかになって濃厚なコクや強い固有の風味が出てきます。
いろんなタイミングで食べてみて、自分の好みの熟度を探してみるのも楽しいかもしれませんね!
今回は黒いチーズを紹介してみましたがいかがでしたでしょうか?
炭の力を使ってチーズの熟成を進めていくとは驚きですね。そしてこの黒いチーズを取り上げるためにシェーブルチーズについても紹介しましたが、このシェーブルチーズ、牛乳よりも古い歴史があるので実はまだまだ奥深いのです。。。またどこかで語れたらと思います!
それではまた来週!See you again!