新世代ピッツァ「ピンサ・ロマーナ」
今宵も奥深く濃密なチーズの世界へ、ようこそお越しくださいました。
この時間は、普段聞きたいけど聞けないチーズの素朴な疑問をわたくし、DJゴーダが丁寧にご説明いたします。
本日もチーズラヴァーの皆さんよりたくさんのお便りを頂いております…。
それでは早速、本日のお題に参りましょう。
新世代ピッツァ「ピンサ・ロマーナ」
前回に引き続き、ラジオネーム "港区のモルタッデラハム" さんからのお便りです。
「イタリアの各地方を巡って食べ歩きしたことがあるほど、ピッツァを愛してやまない30代男性です。そこで新しい種類のピッツァを食べてみたいのですが、ご存じでしたら教えてください」
チーズラヴァーズの皆さん、こんばんは! 今宵も始まりました「Cheese FM」のお時間です。
最近は気候の変化が激しく、急に気温が下がったり上がったりと体調を維持するのがむずかしい日が続いていますが、ラヴァーズの皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
今年はゴールデンウィーク終盤の日曜日となった5月5日は、そう“こどもの日”です!
端午の節句でもあり、子どもの健康や成長を願う日となっています。4月のことになりますが、デパートで買い物をしていると、店頭に実に様々な兜の飾り物が売られていて、私も子どものころに実家で飾ってもらっていたことを思い出しましたね〜。
私は関東出身なので、小学校で柏餅を食べる機会があった覚えがありますが、調べてみると関西ではちまきをよく食べるそうです! 同じ行事でも食べるものに地域差があるのが面白いです!
さてさて、こどもの日の話題はここまでにして、さっそく本題に参りましょう。
今回はピッツァを愛してやまない男性からのお便りです。久しぶりのピッツァ回、いいですねえ。
ピッツァといえば、ナポリピッツァやローマピッツァなどが代表的ですが、同じピッツァでも生地が違ったり、使うチーズの種類が地域ごとで異なったり、とっても興味深い食べ物ですよね!
そんなピッツァの新種を食べてみたいとのことで、今回はローマ生まれの新世代ピッツァである「ピンサ・ロマーナ」を皆さまにご紹介していきますよ!
新世代ピッツァ、ピンサ・ロマーナ
新世代ピッツァを名乗る、ピンサ・ロマーナ。
ラヴァーズの皆さんでも知ってる!って人は少ないのではないでしょうか? ましてや、食べたことがあるという人はとても食のトレンドに詳しい方だと思います。
それでは、ピンサ・ロマーナはどんなピッツァなのかを話していきますね。
ピンサ・ロマーナは2001年にローマで誕生した、正真正銘の新世代ピッツァです。
イタリアのローマにある、とある食品メーカーが1981年の創業時から独自に考案し、2001年に発表したことで市場に送り出されました。
ピンサ・ロマーナの最大の特徴はズバリ、生地!
生地が体内で消化されやすいように作られていることが最大の特徴で、小麦粉のほかに大豆粉・米粉・乾燥マザー酵母が独自の配合でブランドされた専用ミックス粉を使用して作られます。
また、ピンサ・ロマーナ協会というものが存在し、そこのルールでは、生地の水分含有量が80%以上と規定されているので、生地の表面はカリッと内側はフワッとしているのも大きな特徴です。
最初に聞いたときは驚きましたが、消化にいいピッツァなんて、なんだか夢のような話ですよね!
そして写真で見てわかるように、ピンサ・ロマーナの生地は凹凸が目立ちますよね?
これはピンサ・ロマーナの生地の水分含有量が多いことから、パンのように綿棒で伸ばしたり、ピッツァのように生地を投げたりすることが難しく、職人が指先で成形しているからなんです!
こうして成形された生地は、生地に含まれた空気の層が壊れないように、トッピングの前に一度焼成します。そのあとにトッピングし、再度オーブンで2回目の焼成を行うんですね。 丁寧に作られていることがこの2度の焼成からわかりますね…!
さて、ピンサ・ロマーナの生地のこだわりについて話してきましたが、簡単にピッツァ生地との違いをまとめてみると、こんな感じになります。ピッツァの一種とはいえ、こんなに作り方が違うとは驚きですね!
ピンサ・ロマーナ生地 | ピッツァ生地 | |
---|---|---|
生地の材料 | 小麦粉・大豆粉・米粉など | 小麦粉 |
水 | 冷水 | ぬるま湯 |
発酵時間 | 長時間発酵 | 短時間発酵 |
焼成温度 | 低音で焼く | 高音で焼く |
生地の成形 | 指先で成形する | 生地を投げて成形する |
生地の表面 | 凸凹 | 平坦 |
ピンサ・ロマーナのトッピング
ここで気になるのが、ピンサ・ロマーナのトッピングですよね! 調べてみたところ、特に協会で規定はないようです。ですので、イタリアではピッツァ・マルゲリータのように、モッツァレラチーズ・トマト・バジルがトッピングされていたり、モルタッデラハム・ピスタチオとタレッジョなどの組み合わせも人気だそうですよ。
ピンサ・ロマーナのトッピングを紹介したところで、そろそろお別れのお時間が近づいてきてしまいました。話し込んでしまうと時間が経つのはあっという間ですね!
恥ずかしながら、実は私もまだピンサ・ロマーナを食べたことがないんですよ。…というのも、ピンサ・ロマーナを名乗るのには、協会が定めた専用の生地粉を使う必要があるので、日本ではまだまだ普及していないのが現実なんです。
"消化にいいピッツァ"として、日本でも多くのイタリアンレストランで食べられるようになるといいですよね! それではまた来週! See you again!