「クロックムッシュ」「クロックマダム」ってどんな料理?
今宵も奥深く濃密なチーズの世界へ、ようこそお越しくださいました。
この時間は、普段聞きたいけど聞けないチーズの素朴な疑問をわたくし、DJゴーダが丁寧にご説明いたします。
本日もチーズラヴァーの皆さんよりたくさんのお便りを頂いております…。
それでは早速、本日のお題に参りましょう。
「クロックムッシュ」「クロックマダム」ってどんな料理?
前回に引き続き、ラジオネーム "茶髪と黒髪のポニーテール" さんからのお便りです。
「カフェのパンメニューで “クロックムッシュ” ってあると思うのですが、最近 “クロックマダム” というメニューがあることも知りました。ムッシュとマダム…、何が違うのでしょうか?」
チーズラヴァーズの皆さん、こんばんは! 今宵も始まりました「Cheese FM」のお時間です。
とうとう春真っただ中の4月に突入しましたね~!
4月といえば入社式や入学式など新しいスタートの時期、何か新しいことを始めるのにもいい季節ですよね。皆さんは何か新しく取り組み始めたことありますか?私は、この春から日記を書き始めました。その日に起きたこと、その日に食べたものや新しく発見したチーズのことなど、文字にするだけで少し得した気になりますよ。
皆さんも是非何か新しいことに取り組んでみてください!
さてさて、本題に参りましょうか。
今回のお便りは「クロックムッシュ」と「クロックマダム」について、ですね。
クロックムッシュはパン屋の定番メニューとして定着していると思うので、どんなものなのか想像がつくラヴァーズは多いのではないでしょうか?ご存じの通り、クロックムッシュはチーズをふんだんに使ったホットサンドイッチですね。フランス発祥で、フランスでは最も有名なサンドイッチと言われています。
一時期、某有名コーヒーショップのモーニングメニューにも登場して話題になりました。そして、クロックマダムはクロックムッシュの派生なんですが、どのようなサンドイッチなのか、今日は2種類のチーズサンドイッチの魅力に迫っていきましょう!
クロックムッシュとは
クロックムッシュの発祥は、1910年代のフランス。オペラ座近くにあるカフェで提供されたホットサンドイッチがクロックムッシュの原型だと言われています。
食パンにチーズとハムを挟み、バターを塗ったフライパンでカリカリに焼き上げ、仕上げにモルネーソースやベシャメルソースを塗った手軽なメニュー。なにかと忙しいパリジャンのために、手早く小腹を満たせるようにと開発されたものだったんです!
クロックムッシュとはフランス語で「croque-monsieur」と表記するのですが、croqueは “カリカリかじる”、monseiurは “紳士” を意味します。つまり、忙しいパリジャンが手づかみでカリカリとサンドイッチをかじる姿がそのまま料理名になったんですね~!!
そしてクロックムッシュに使用されるチーズは、スイスを代表するグリュイエールチーズとエメンタールチーズがメインです! この2つはスイスを代表する料理であるチーズフォンデュでも使われていて、CheeseFMに登場するのは2回目ですね♪
グリュイエール
エメンタール
チーズラヴァーズたちはご存じだと思いますが、一応おさらいをしましょう。
グリュイエールは「スイスの女王」と呼ばれる由緒正しいチーズで、エメンタールと並ぶ生産量を誇るハードチーズですね。マイルドな口当たりで少し酸味があり、ナッツのようなコクとクリーミーな味わいが特徴です。
エメンタールは、断面のチーズアイと呼ばれる数㎝の大きな穴が特徴で、木の実に似た独特の香りとクセがないマイルドな味わいが人気のチーズですね!
この2つはスイス原産のチーズですけど、フランス料理でもクロックムッシュだけでなく、キッシュ、オニオングラタンスープなどのオーブン料理によく使用されています。 う~ん…、スイス内だけでは飽き足らずフランスでも愛されるチーズたちがここにもいました。
チーズの話が済んだところで、クロックムッシュのレビューです!!
とあるカフェのモーニングにクロックムッシュがあったので、実際に食してみました~♪
サンドイッチではなくトーストの形で提供されたクロックムッシュでしたが、とろとろにとろけたチーズとベシャメルソースが最高に合う…!! シンプルながらこれは美味しい!たまにカリッとしたハムが口に入ると、マイルドな口当たりに変化があり、すぐに食べ終わってしまいました。
忙しいときに手軽に食べられるメニューではありますが、パリジャンたちはクロックムッシュが美味しすぎて早く食べてしまっただけなのでは?と考えてしまいましたね…。
クロックマダムとは
では、お次にクロックマダムとはどのようなサンドイッチなのか見ていきましょう!
クロックムッシュの派生形であるクロックマダムは写真の通りで、クロックムッシュに目玉焼きが乗ったサンドイッチです。
目玉焼きが乗っただけで使用されているチーズも原則同じなのに、なんで名前が変わるの?と思いますよね。実は、食べ方も変わるんですよ!手づかみで食べられたクロックムッシュですが、目玉焼きが乗ったクロックマダムはナイフとフォークでないと食べるのが難しいんですが、フォーク&ナイフで食べると味わいがまた違うのです。
つまり、ムッシュ(紳士)より上品な食べ方、レディーファーストとして淑女を意味する “マダム” が料理名に付けられたんですね~!目玉焼きが女性の帽子に見えることからクロックマダムの名前が付いたという説もあります。
フランス料理の名付け方って、とっても興味深いですよね。
クロックマダムの説明が終わったところで、そろそろお別れのお時間が近づいて参りました。
どうでしたでしょうか?クロックムッシュとクロックマダムの違い、面白いですよね。 ぜひ2つのサンドイッチを並べて食べてみたいものです…。
ちなみにカナダ生まれのサンドイッチで「モンティクリスト」なるものがあるのですが、これはフレンチトーストにした食パンにハムとチーズを挟んだ、フレンチトーストとクロックムッシュの中間のようなサンドイッチもあります。これは手軽にカリカリっと食べるものではなさそうですね…。
機会があったら食べられるお店を探してみてください♪ それではまた来週! See you again!