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牛・羊・山羊のミルクって何が違うの?

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チーズラヴァーの皆さん、“CHEESE FM”のお時間です。
今宵も奥深く濃密なチーズの世界へ、ようこそお越しくださいました。
この時間は、普段聞きたいけど聞けないチーズの素朴な疑問をわたくし、DJゴーダが丁寧にご説明いたします。
本日もチーズラヴァーの皆さんよりたくさんのお便りを頂いております…。
それでは早速、本日のお題に参りましょう。

牛・羊・ヤギのチーズって何が違うの?

ラジオネーム "オーストラリアの伊達巻" さんからのお便りです。

「チーズ初心者です。羊や山羊のチーズを食べてみたいと思っているのですが、それぞれ牛乳から作られたチーズとどのような違いがあるのでしょうか?また、味以外にも乳の特徴があれば教えてほしいです。」

チーズラヴァーズの皆さん、こんばんは! 今宵も始まりました「Cheese FM」のお時間です。
本格的に夏のシーズンに入りましたね。毎日暑すぎです。皆さん、夏バテになっていないですか?
屋外と室内の温度差による自律神経の乱れ、発汗による脱水症状、食欲減退による栄養不足など、夏バテになってしまう要因はこの時期たくさんあります。
そこで夏バテには腸活がいいと聞きまして…、発酵食品を積極的に摂ろうと考えたわけです。 チーズは発酵食品なので勿論腸活に最適ですが、いろんな種類の発酵食品を取り入れたほうが良いので、“ぬか漬け”をはじめることにしました!
この前はキュウリと大根を少量漬けました。いや~、久しぶりで美味しかったですね。なにより自分で作った感がとてもイイです。野菜に愛着がわきますね。
モッツァレラチーズもぬか漬けに合うみたいなので、今度トライしてみます。

さてまだまだ語れることはありますが、ぬか漬けの話は置いといて…。
今回のテーマは「牛・羊・山羊のミルクの違い」です。うんうん、これは様々な種類のチーズを食べていくと行き当たる疑問ですよね。
チーズ作りで最も使用されるのは牛乳ですが、歴史を紐解いてみると野生動物を家畜にした順番は「羊」、「山羊」、「豚」、「牛」の順番だそうです。
牛よりも羊や山羊の方がミルクやチーズの歴史は古いんです!これは実に興味深い!
というわけで、今回は羊や山羊のミルクが牛とどう異なるのか。それがチーズになったときにどのような風味になるのかについて語っていきたいと思います。

羊のミルク・チーズについて

羊のミルクは牛と山羊と比較して、たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれているミルクです。乳固形分や乳脂肪分も高いため、牛乳に生クリームを加えたようなコッテリ感があり、ほのかな甘みを感じられるのが特徴です。
羊のミルクがチーズになると、脂肪分が高めなのでリッチな味わいになります。クセは意外と強くないので、牛乳製チーズの次にトライするなら羊乳チーズでしょう!

羊乳チーズのなかでも特定の品種から搾ったミルクしか使用しないと決められているものがあります。
前回のラジオでご紹介したブルーチーズの王様「ロックフォール」は、地元で育てられているラコーヌ種という羊乳を原料とすることが決められていましたね。
またスペイン・バスク地方のチーズ「オッソー・イラティ(Ossau Iraty)」は山での生活を好むバスコ・ベアルネーズ種と頭の黒いマネッシュ種、頭の赤いマネッシュ種のミルクを使うことが決められています。3種類の羊乳を混合して作るチーズなんですね。
味わいを比較したことがないので何とも言えないですが、同じ羊乳といえども品種が異なれば風味も違うんでしょうね!う~ん…、これはロマンですよ。ぜひ比べてみたいものです。

ロックフォール

オッソー・イラティ

山羊のミルク・チーズについて

山羊のミルクは牛乳よりも栄養価が高いとされています。しかも成分が母乳に近く、タウリン・ビタミンA・亜鉛・オリゴ糖も豊富なので母乳の代わりに山羊ミルクを赤ちゃんに与えていた歴史もあったそう。
山羊ミルクは脂肪球が牛乳よりも小さいので、腸で消化しやすいのも大きな特徴ですね。
また山羊ミルクのタンパク質は牛乳よりもアレルギーを起こしにくいと言われています。牛乳を飲むとお腹を壊してしまう人がいますが、あれは“アルファS1-カゼイン”というタンパク質が引き起こすもので、山羊ミルクにアルファS1-カゼインが少ないためアレルギーが起こりづらいんです!
山羊ミルクってすっごく優秀…!

優秀なミルクである反面、牛のミルクや羊のミルクよりもクセが強めになっています。
それは山羊ミルクが空気に触れると様々なにおいを吸収する性質があるため、独特な臭みがでてしまうんですね。
逆に山羊ミルクの取り扱いにこだわっているところは、ミルクと空気の接触を最小限に抑えているのでクセや臭みがなく飲みやすいですよ!だから、一概に山羊ミルクのクセが強いとも言えないんですけど、一般的には牛や羊よりもクセが強いとされています。

そんな山羊ミルクをチーズにすると、真っ白なチーズになります。味は羊よりもさっぱりしています。
フランスでは山羊ミルクを酸の力で固めることが多いので、ヨーグルトのような酸味をもつ山羊チーズが多いです。

ロックフォールやオッソー・イラティと同じく、地元で育った山羊乳を使ったチーズを紹介しましょう。
まずフランス・プロヴァンス地方の「バノン(Banon)」。栗の葉に包まれている珍しいチーズで、プロヴァンサル種、ロヴ種、アルピーヌ種およびそれらの交配種から搾った山羊乳を使用します。
もう一つはフランス・シャロレ地方の「シャロレ(Charolais)」。肉牛の産地として有名なシャロレ地方ですが、18世紀に女性を担い手として山羊の飼育とチーズ作りがはじめられました。地名を冠したチーズ、まさに地元で作っているという誇りが感じられていいですよね。山羊はアルピーヌ種かサーネン種に限定されていて、年間放牧日数や頭数に対する土地の広さ、資料の生産地など厳しい規定があります。

タレッジョ

モン・ドール

おっと、そろそろ今晩もお別れのお時間が近づいてしまったようです。
山羊や羊は飼育の歴史が長く、牛が飼育できない地域で飼育されてきたので、その限られた土地で作られるチーズも土地由来の個性が強く出ていますよね!
動物の品種にも規定があるとなると、尚更個性が強くなると思います。
今回紹介したチーズは珍しいものが多いので、ロックフォール以外はあまりお目にかかる機会がないかもしれませんが、チーズの専門店に行ってぜひ口にしてみたいものです…。
それでは、また来週お会いしましょう! See you again!

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